再建に向けて

お話:内海直子さん/女性/当時50代/心身障害児施設「マザーズホーム」元園長

マザーズホームの再建過程についてお聞きしたいのですが。

ユニセフがおこなっている支援の一環で、マザーズホームが再建できるかも知れないという話が市役所を通じて入ってきたんです。それで、ユニセフに対してアピールをしなきゃならないということになり、OBのお母さん達も昔の写真をいっぱい持ってきてくれて、ビデオレターのようなものを撮ることになったんですよ。お母さん達も「マザーズホームとはこんな所で私達にとって絶対に必要な場所なんです」って言ってくれて。市も大きな被害を受けて大変だったので、再建については私達のような施設は後回しだろうなって思っていたので、再建が決まったという知らせを受けたときは本当にうれしかったですね。

 

再建が決まってからはスムーズに事は運んだのでしょうか?

ユニセフは市内の業者に頼みたかったようなんですけど、材料も手に入らないということで、遠くの業者に頼んだようで当初の見積もりよりお金もかかったみたいですね。落成式は9月11日でした。それには猪瀬さんと鈴木さんも出席されたんです。

 

猪瀬さんと鈴木さんはそこで初めて会ったそうですね。

そうです。新幹線の中で初めましてって感じだったようです。

 

新しいマザーズホームになって新たに備えたようなものはありましたか?

はい。今の場所は高台にあるため津波の心配はありませんが、考えられるのは火事ですね。その場所で考えられるあらゆる災害を想定することが一番大事なことかなと思っています。やっぱり子どもさん達を連れて逃げるとしたら、どうしたらいいのかなというのをみんなで考えたんですけども。子どもを安定というか、パニック状態にさせないことが優先順位として高いかな。避難訓練のやり方、方法を安心してできるものにしようみたいにものには変えてましたね。あと、避難場所もいつも同じ場所じゃなくて、変えていましたね。いろんな所に行けることって大事かなと思って、学校の往復だけじゃなくて、こういうところ(インタビュー場所であるシャークミュージアム)にも遊びに来てみたり、いろんなお祭りに行ってみたりするとか。そういう体験や経験を通して、彼らが安心できる場所を増やしていくことが大事かなと思っていますね。

 

災害があった時の親御さんとの連絡手段は?

あの時は、メールが一番いいねってことになって。今だったらラインとかかな。一人一人に連絡とるのも大変なので、一斉に繋がるものがいいだろうなって思いますね。あとは物資については地区で助け合おうみたいな協議会みたいなものが設立されて。支援学校に○○がストックされてますとか、そういう情報を流すシステムができたので、マザーズホームで全て備えなくても近くの支援学校などからすぐにもらえるようにしていこうとか。

 

どこの支援学校にはこういうものがあるというのが情報として共有されているんですね。

はい。入るようになっています。中学校と小学校と支援学校と公民館と保育所関係と…。

 

各施設みたいな感じですね。

そうですね。今までは施設だけで全て調達しなきゃいけなかったんですけど。

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