柳橋さんの思い

写真:事業所「かなん」外観

お話:社会福祉法人 石巻祥心会 就労継続支援B型事業所 かなん
利用者 今野さん(男性/当時37歳・知的障害)
施設長 柳橋さん

震災の経験を通して、今思うことやこれからに向けての思いはありますか?

柳橋さん:震災を経験しては、ここは内陸ですが安心してはいけないと思っています。何かあったらどこにどう逃げようという想定の元、送迎にしても活動中にしても対応できるようにしたいと考えています。実際に、避難マップや災害対応マニュアルというものに力を入れています。利用者さんを守れる方法ってなんだろうと考えながら、そういう所に力を入れている状態ですね。
(津波の遡上で)氾濫しても1メートルも水は来ないだろうとは言われているんです。でも1メートル未満の水の中でも、利用者さんが立ってられるかというと、そうは言い切れないない所もあるので。そういう時にどうやって守っていくかというために、職員も含めての避難訓練には力を入れて行きたいと思いますね。
利用者さんの中には避難訓練する度に、未だに吐き気を催したり、パニックになったりする方はいらっしゃるんです。命があっても家族がなんともなくても、被災の状況をどこかの時点で見て、「地震だよ、火事だよ」と言われただけでビクッ!ってなってしまい、体が硬くなってしまう。当時のことを思い出しちゃう。あの時、親御さん達と離れて何日か嫌な思いをした事が思いだされるのだと思います。そういう所を少しずつ克服というか、私たちも一緒に見つめ合いながら強くなっていけるようになれたらいいなと思いますね。

ページの上へ戻る