避難所になった「ひたかみ園」

写真:写真左が柳橋さん、右が今野さん

お話:社会福祉法人 石巻祥心会 就労継続支援B型事業所 かなん
利用者 今野さん(男性/当時37歳・知的障害)
施設長 柳橋さん

避難所だったという「ひたかみ園」の様子についてですが

柳橋さん:うちの「ひたかみ園」という入所施設がある場所は、近くに川と繋がっている大きな堀があります。その堀より土手を越えて水(遡上してきた津波)が溢れたんですが、奇跡的に施設周辺だけ津波の被害が無かったのです。
 それで、海側の津波の被害がひどかった所から、自衛隊のヘリコプターが吊り上げて救助された方々がいました。その方々を無事な大きい建物があるということで、「ひたかみ園」に集めたんですね。入所施設なので、避難所を運営するつもりはなかったんですが。
 「ひたかみ園」の職員や利用者はすでに内陸に逃げていたので、その時は施設に誰も居なかったんです。それで波が引いて戻ってみたら、「誰か住んでる!?」という状態だったんです。それが避難所の始まりです。
 ただ、その中で一般の被災者と、障害を抱えた被災者とでは求める支援の内容も違うし、一緒にいる事に互いがしんどさを感じてしまう事から、別々の避難所生活を送ってもらう事にしました。一般の方には申し訳なかったんですが、入所施設内の違う建物の方に移っていただきました。一般の方の滞在期間は1ヶ月2ヶ月くらいかな。違う地域の避難所に移るまでは、ここでどうぞという形で。(避難所になってから)4日目、5日目くらいにはそういう分け方をしていたと思います。

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