周囲の方々と利用者さんの関わり方

(注)みどり工房若林は2019年5月1より「みどり工房長町」に施設名称が変更となっております。

お話:特定非営利活動法人 みどり会 地域活動支援センター みどり工房若林
施設長 今野真理子さん(当時)

避難所生活で、良かった点、助かった点はありましたか?

 利用者さんがとっても立派でした。どうしても、一般の方の感覚だと、障害者は弱い立場だっていう風に平時から思ってる節が残念ながらあるかと思います。
 ご本人さんたちも、病気があって生きづらさもあることから、ちょっとこう、身を引いてしまうところがあるんですけど。
 あの時は、たぶん誰もが自分も何かやらなきゃいけないなっていう状況を感じていたと思います。
荒浜に「潮音荘」という老人ホームがあり、そこの入居者さんも避難されていて、工房の利用者さんは、その方たちの2階に昇る避難介助もして下さいました。
 守られると人って弱くなっちゃうことってあると思います。動ける人は動く。避難所では高齢者が多かったので、利用者さんは歩くのが大変な高齢者のために校舎4階まで食事を運んだり、お掃除をしたりしていました。
 あと、グランドで自主的に皆さん火起こしをしていました。赤ちゃんのミルクの為にお湯を沸かすなど。そういった薪割りや火起こしに利用者さんは一緒に行きました。本当に工房の利用者さんはとても立派でした。
 私たちもだけど、気持ちが落ち込んだ時など、ネガティブな考えに行きがちだと思います。
 災害時のような状況では自分自身動くことにより少しでも何かこう一歩変わっていくことを感じたほうがいいと思うんです。
 日中、避難所に残ってる人って、高齢者が多いんです。若い世代は避難所から朝、仕事に行っていました。
 そうすると、避難所では残った高齢者が日中手持ち無沙汰になっていることがあって、その中で私たちみたいな福祉事業所だと、利用者さんも若い人もいっぱいいますよね。力仕事だけではなく、若い人がやれる役割・仕事って色々あるんですよ。
 例えば、おじいちゃんたちは携帯電話、普段そんなに使わない。でもこういう災害時だと連絡を取るために使わざるを得なくなります。携帯電話の扱いが苦手な高齢者に、利用者さんは使い方を教えるなど、自分の出来得ることをしてくれました。
 普段なら何ていう事ないかもしれないけど、災害時家族の安否確認や連絡を取るためには、こういったサポートは助かります。
 「どうやるんだべ」「うちの娘っこの連絡先どこに入ってんだ」って質問があったり。携帯の電話帳の開き方を教えたり。電話かかってきてもどこを押せば良いか分かんない。そこを身近にいる私たちが一緒に教えました。ほんとに年配の方には助かったみたいです。
 こういう何気ない生活のことは、一般のボランティアや運営で精一杯の学校の先生方にはできないことだと思います。やっぱり身近に毎日同じ部屋で、生活しているからこそお手伝いできることですね。

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