応援団TIMES 〜担当者の声〜 Vol.1

2023/11/24

株式会社登米村田製作所(元株式会社仙台村田製作所)
事務課 井浦 武士 さん

官民応援団の各企業・団体の担当者に取組み実施に当たっての経緯や、感想等をお聞きしました。記念すべき一人目は仙台村田製作所在籍時から様々な取組みを検討いただき、登米村田製作所異動後においても、社内に応援団活動を広めていただいている井浦武士さんにお話を伺いました!

取組みのきっかけは地域貢献したいという思いから。「買ってあげる」から「また食べたい」へ。

――まず、障害者就労施設への発注の経緯を教えてください。

井浦さん
村田製作所では以前からグループ全体で社会貢献活動に力を入れており、仙台村田製作所でも地域に密着した形で何かしたい!という思いがありました。まずは障害者就労施設で製作していただいたパンなどの社内販売会を最初に行いましたが、その際に参加した施設の担当者から、単発の販売会よりも一定の注文が継続的にあることが一番助かる、というお話を聞きました。社員で何かできないか話し合った結果、毎月の表彰制度の景品として発注すれば継続した形に依頼できるという話になりました。以降ずっと障害のある方との活動をさせていただいております。

――取組みの前後で施設のイメージはどう変わりましたか?

井浦さん
最初のイメージはボランティアとして利用するもの。どこかで「買ってあげる」みたいな気持ちがありました。でも実際に利用したらとても美味しくて、「また食べたい」と思える商品ばかりでした。購入した社員の評判や満足度も高く、取組みの継続を望む声が大きかったのも驚きでした。そこが、大きな変化でしたね。

――これまでの障害のある方との取組みについて教えて下さい。

井浦さん
仙台村田製作所では、昨年応援団発足のお話をいただいた際、ちょうど社内で障害者雇用の為に業務切り出しを進めていました。先ほどお話した商品販売会や社内表彰の景品発注は官民応援団発足前から行っていたのですが、そこから雇用した方だけではなく、施設で働く障害のある方にも継続的なお仕事を、他にも提供できないかという検討を進めました。そこで敷地内の除草業務を毎月お願いすることからスタートし、次に社員食堂でのドレッシング発注と展開していきました。

――除草作業は、どうすれば障害のある方が仕事をしやすいか一緒に考えてくださっている印象でした。施設利用者や職員も取組みの中で成長していてありがたいです。

井浦さん
仙台村田製作所の現担当が、施設の方と何度も相談しながら進めています。開始後もやりながら色々と調整しており、継続しやすい仕組みにしています。最初はなるべく近隣の施設と取組みを行った方がよいと思っていましたが、みやぎセルプさんに意欲のある事業所をマッチングしていただいたことで、より早く前向きに作業に取り掛かれました。

社員一人一人が障害のある方との活動を楽しんで行っているんです。

――取組みの中で工夫したことや苦労したこと、良かったこと、取組み後の反響等ありましたら教えてください。

井浦さん
障害のある方との活動の中で、苦労した覚えが全くなくて、楽しくやらせていただいてます。運営している担当社員はいいことができている、誰かの役にたっている、という実感があるようです。また、販売会では購入した社員の楽しそうな反応を見ることもできて、社内のよい交流機会にもなっていると思います。企画に関わった社員もみんな楽しそうに取組んでます。工夫した点は、社員が楽しい・おいしい・お得だとか、そういうプラスの感情をもてる取組みにしたかったんです。ボランティアだから協力してという強要をしないように、みんなで話し合って、楽しめる取組みの企画を心がけていました。社員の満足度も向上し、地域貢献にもなる取組みですので、社内でも賛成してくれる方ばかりでした。

仙台村田製作所から登米村田製作所への取組み拡大

――今年度から登米村田製作所に異動されたかと思いますが、こちらでの取組みについて詳しくお伺いしたいです。

井浦さん
応援団に参画されている企業や団体様は仙台市など中心部が多いと思います。しかし登米市などの郊外においても、同じようにサポートを必要としている障害のある方は多くいる筈です。仙台村田製作所での経験を活かして、この活動を異動した先でもやりたいと考えておりました。登米村田製作所でも地域のために貢献活動をしたいという社員が多く、すぐに実現に至りました。まずは、登米の施設商品(パン)の販売会を2回実施しました。

――社員の方々が施設を訪問して、交流も深めてらっしゃるんですよね。

井浦さん
弊社には「社員会」という社員でつくる互助会組織があります。そのメンバーが当取組みに大いに賛同し、協力してくれています。まずは販売会を開催する前に企画メンバーが施設を訪問させていただき、実際に利用者さんが一生懸命に作業している姿を拝見しました。販売個数や補助金額などの打ち合わせを重ねて、販売会は大成功でした。当日は利用者さんもご来社いただき、メンバーと一緒に商品の品出しや袋詰め作業を行いました。こういう触れ合いも相互理解にプラスになると感じています。

今後も地域貢献のため、継続的な業務の発注を検討していきます。

井浦さん
今後は登米村田製作所でも除草作業や社員食堂の食材発注など、継続性を意識した取組みを拡大していきたいと思っています。地域社会との共生を意識して、これからも活動を大切にしていきたいです。

登米村田製作所と販売会を行った、社会福祉法人恵泉会 若葉園の千葉勝郎さんにもお話を聞かせて頂きました。

――まず、登米村田製作所様との取組みついて、ご感想をお聞かせ下さい。

千葉さん
今回のお話が登米村田製作所様とは初めてのコラボ企画で、話し合いの中で、販売事業を行う事になりました。立案・企画から販売の手伝いまで社員の方々が中心となり行って頂きました。社員の方々に障害者就労施設(若葉園)の取組みや活動の様子をスライドや掲示物を作成し、理解を深める周知活動も行って頂き、商品の購入はもちろんですが、職員一同感謝の気持ちでいっぱいです。

――今回の登米村田製作所様での販売会を行い、利用者さんはどの様な感想をお持ちでしょうか?

利用者にとっては、作るのは大変だけど、自分たちが作った商品が次々に売れるのでやりがいがあり、これからも”がんばる”モチベーションにつながっています。また、登米村田製作所の皆さんの販売会での心温まる反応も、彼らのモチベーションにつながっていると思います。

――今後、期待する取組みについてお聞かせください。

千葉さん
若葉園単体では困難であっても地域の事業所間の連携によって、もっと多くの地元企業と、登米村田製作所様とのような取組みが出来れば良いと考えています。

――最後に事業所や利用者さんについて、地域の方に知って頂きたい事をお話しください。

千葉さん
施設や障害者であっても「こんなことも、あんなこともできるんだよ」という事を知ってもらいたいです。

登米村田製作所会社概要

商号株式会社 登米村田製作所(Tome Murata Manufacturing Co., Ltd.)
創業1998年2月20日
資本金1億1,000万円
代表者代表取締役社長 森戸 秀明
工場長取締役工場長 冨岡 弘嗣
事業内容巻線コイルを用いたチップインダクタ・ノイズ対策フィルタの設計開発・製造
従業員数577名((男子369名、女子208名、2023年4月時点)
所沿地〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字中江4丁目11番地の1
商号株式会社 仙台村田製作所(Sendai Murata Manufacturing Co., Ltd.)
創業2021年7月1日
資本金1億1,000万円
代表者代表取締役社長 中山 能勝
工場長取締役工場長 小山 正人
事業内容高周波部品(表面波フィルタ)の開発・設計・製造
従業員数405名(男子360名、女子45名、2021年7月時点)
所沿地〒981-3206 宮城県仙台市泉区明通3丁目2-6

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