津波からの避難

写真:藻塩の里 被災時施設内

お話:社会福祉法人 嶋福祉会 就労継続支援B型事業所 さくら学園
施設長(当時) 佐野篤さん

誰かがラジオを点けたので、津波警報が発令されたことに関しては割と早く入ってきましたね。
サイレンが鳴り始めたのでこれはただならぬ雰囲気だということになり、そしてラジオからもそういう情報が入ってきて。ここは沿岸部でもあるし、このままここに居ない方がいいだろうなと。あまり迷いなくすぐに避難しなきゃいけないということで。
避難場所は車で行くと2~3分位の杉の入小学校に行きました。高い所にとにかく上げるということを常に考えているので、斜向かいにあった、坂を登って一段高くなっているスーパーの敷地までまず上がりました。スーパーの屋上から上の道に出れるので、そこを目指してまずは皆をピストンで移動させようということで。
歩ける方は歩いて行ってもらい、歩くのがちょっと遅いと思われる方は車で二往復くらいして、その間、車が渋滞などでもし止まってしまったらすぐ捨てる、だけど動いていれば車の方が早いから、動いてる間に、公用車と一部職員の車を使って全員をまずはスーパーの屋上まで連れて行くことができました。
指示を出した後、私は最後の車に乗るようにして、屋上で落ち合うということで。歩きのメンバーも屋上まで上がってもらって、だったと思います。
30分かからずにそこまでは辿り着き、しばらく「じゃあ、どうしよう…」とはなりましたね。全員が車には乗っていなかったですし、もの凄く寒い日だったわけで、あの日は。これはやはり、どこか屋根・壁がある所に行った方がいいだろうということで。避難場所が杉の入小学校というのは認識しているので。
スーパーからは平らに、300、400メートル位歩くんですが、歩きの方はそのまま歩き、車の方は車で行きました。受け入れてくれるかどうかとか、他の人が避難してるかとかそういうことはよくわからないままにまず杉の入小学校まで行きました。

ページの上へ戻る