みなし仮設での暮らし

お話:小山(おやま)賢一さん(男性/当時30代/盲ろう者[弱視難聴])

5月くらいまで避難所にいらっしゃって、その後は仮設住宅に入られたのですか?

みなし仮設扱いで空家を借りました。地元から車で20分近く離れた所に家族で住んでいました。

 

そのみなし仮設にはどのくらいお住まいだったのですか?

2016年の9月まで、5年4か月ですかね。昔建てられて人が住んでいない所だったので、最初は環境認知もできず、屋内でも自由がきかず、なかなか大変でした。それでもプレハブ仮設よりは家族のプライベート空間が確保されて、アパートなども空かない状況の時に貸して頂いたので、それが一番感謝しています。

 

みなし仮設というのは市の方から情報をもらって入ることができたのですか?

私の場合は知り合いからの紹介でした。避難所にいつまでもいるわけにはいかないし、早く落ち着ける場所にという家族の意向もあって、障害のある私には不便なことや不安も大きかったですが、空家を借りました。この地域には他にも空き家がいくつもあり、被災者が一度は入居したようですが、山に囲まれた地域でカメムシやテントウムシ、ムカデなど虫が多く、プレハブ仮設住宅へ移った方々もいたそうです。私たちが住んだ家も6、7年は空家にしていたので、掃除はしていても、虫はたくさん発生していました。それでも家族としてのプライベート空間の確保ができたこと、家族で生活できる場所ができたこと、本当にありがたかったです。

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