こんなスキルはどうでしょう?? vol.1 一寿園の「象嵌(ぞうがん)」

作業

タイトルの通り、日頃の作業で身に付けた素晴らしいスキルや特技をご紹介していくこのコーナー。
不定期連載、写真多めでお送りする予定です。

記念すべき第1回目は社会福祉法人一寿会 一寿園の象嵌(ぞうがん)です。

・・・えぇ、わかっております。わかっておりますとも。
頭の上に「?」マークが出てますもの。
皆まで言いなさんな。
聞きたいことがあるんでしょ?

「・・・スキルってどういう意味?」(←そこじゃない)
「・・・不定期連載って、ホントに第2回目はあるの?」(←だからそうじゃなくって)
「・・・写真多めって、どのくらい?」(←ええい、だまれ小僧)

象嵌(ぞうがん)は、工芸技法のひとつ。
象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味がある。象嵌本来の意味は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むという意味で金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等がある。 (Wikipediaより抜粋) 

ありがとう、Wikipedia。
やや遠回りをしましたが、みなさんの疑問にお答えしましたよ(←Wikipediaがな)
ということで、実際の象嵌づくりの様子を見学しに一寿園(いちじゅえん)にやってきました。

社会福祉法人一寿会 一寿園
http://www.ichijukai.jp/ichi_juen/
一寿園は仙台市内にある事業所で、木工製品の製造や販売をしています。
作業が見たくてワクワクしている私、さっそく作業場にお邪魔します。

はい。これが材料になる木材です。
種類によって、こんなに色が違うんですね。
ちなみに、右上にある黒っぽい木はコクタンと言って、大変な高級品。
施設長さんのご実家を解体する時に、捨てずに持ってきた大黒柱(!!)だそうです。
木材それぞれの色の違いを活かして作品を仕上げるため、塗装はしません。

いよいよ実際の作業がスタートです。
薄い木の板を切り出して作った型を、木材の上に載せます。

サラっと登場したのが、本日の主役・川嶋さん。
ズレないようにクリップで押さえながら、鉛筆で型を縁取っていきます。

鉛筆じゃなくて、シャーペンでしたね(←そこはどうでもええ)

色の違う木を使い、パーツごとに丁寧に、しかし素早く作業を進めます。

鉛筆での、いや、シャーペンでの縁取り(←なぜそんなに厳密に言いたい)が完了。
この後は糸ノコで木材をくりぬく作業に進みます。
糸ノコの刃を板に通すために、ドリル(ボール盤と言うそうです)で穴を開けています。

写真タイトル:ボール盤と川嶋さん(←よくそのセンスで発表したな)

先ほど開けた穴に糸ノコの刃を通し、くりぬく工程に入ります。
写真を撮りながら「ほーぉ」とか「へぇーっ」とか「すげーっ!」とか言っている語彙力不足気味の私に、丁寧に説明をしながらも手は絶えずスムーズに動いています。

糸ノコで切り出した木くずでカットする線が見えなくならないよう、息を吹きかけて木くずを飛ばしながら作業を進めます。

はい。線の通りにぴったりキレイにカット完了。
ここまでおよそ3分(!!)
もちろん私の感想は「早っっ!!」で決まりですね。(←がんばれ語彙力)

この後外側もあっという間にカットして、パーツの切り出しが完了。
縁の部分にやすり掛けをして、滑らかに仕上げます。

いよいよ凄い瞬間ですよ、みなさん。
あらかじめくり抜いておいた板に、先ほど切り出したパーツをはめ込んでいきます。

どうなる、どうなる・・・・???

ぴったりはまったーーーー!!!!
隙間は全くなし、しかもゆるゆるにもならずに、本当にぴったり!ジャストサイズ!!
「ドヤ顔でカメラ見てください」というリクエストに(←なんちゅうカメラマンだ)控えめなドヤ顔で応えてくれる川嶋さん。ありがとう、いい人だ。

川嶋さんいわく「材料に引いた線の内側を切ったものと、外側を切ったものを組み合わせると、うまくいきます」とのこと。

・・・線の内側と、外側?
あんなに細いシャーペンの線の、内側と、外側??
熱弁をふるうでもなく普通のトーンで教えてくれましたが、とんでもない技術ですよ。
職人さんって、やっぱり凄いなぁと実感した瞬間でした。

真ん中の丸い空洞に、別な白い木をはめ込んでいきます。
ぎりぎりサイズで切り出しているので、金づちでやさしく叩きながら合わせていきます。

はい、目玉が入りました。
注目してほしいのは、黒目の部分。
これ、ペンで描いたわけじゃなくて、つまようじくらいの細さに削った木材を差し込んでいるんです!!

「ほんとに~??そんなわけないでしょ~??」とか言ってるそこのアナタ!!
こちらをご覧あれ!!!

はい!これ!!すごく!!!見づらいけども!!!!

川嶋さんの仕事の早さがアダとなりましたが(←いや、カメラマンがんばれよ)
差し込んだ木材をノコギリで切っているところです。

ここまで終えて、川嶋さんは昼食休憩に向かいました。
ありがとう、川嶋さん。職人技を間近で見られて、とっても楽しかったです。

その後の作業を進めて完成したのがこちら!!キツネです。かわいい仕上がりですよね。

他にもキリンの親子や・・・

大量のクマの素(←言い方)など、いつまででも見ていられましたが、お邪魔になるので帰ってきました。

今後も、このように凄いスキルを持っている人や事業所をどんどん紹介していく予定です。
自薦・他薦は問いません。「ウチのスキルも見てくれや!!」というアピール大歓迎です。
私が興味を持ったもののみ、取材に伺います(←言い方パート2)

社会福祉法人一寿会 一寿園
http://www.ichijukai.jp/ichi_juen/