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公開日:2013 年 9 月 20 日

第十五回被災障害者就労支援事業所連絡会議を開催しました。

この度、平成25年度被災障害者就労支援事業所等復興支援体制づくり事業の一環として、『第十五回被災障害者就労支援事業所連絡会議』を8月26日(月)に開催しました。
この会議は、宮城県内で建屋の損壊等特に直接的被害が大きかった、若しくは沿岸部等、特に被害の大きかった地域に所在する生産活動を伴う事業所を対象として、情報交換による互いの状況把握と、それに関しての相談、アドバイスの場を設ける事で、新たな問題解決の糸口発見や協働での作業づくり等相乗効果が期待できると考え、震災の影響を強く受けている事業所の集まりを作る事で、何らかの支援をしたいと考えている法人や団体、有識者を迎え、作業の提案や商品販売ルート開拓、場合によっては事業所運営のヒントを得る事を目的としております。
第十五回目は、場所を東松島市コミュニティセンターとして、大変お忙しい中9事業所10名の方にご参加いただきまして開催致しました。
【参加者】
(社福)嶋福祉会 さくらんぼ 山崎施設長
(社福)洗心会 のぞみ福祉作業所 森主任
(社福)洗心会 のぞみ福祉作業所 茶園生活支援員
(社福)洗心会 ワークショップひまわり 三浦生活支援員
(社福)しおかぜ福祉会 しおかぜ 永井施設長
(社福)石巻祥心会 サンネットなごみ 浅野支援員
(社福)矢本愛育会 ぎんの星 佐々木支援員
(社福)円 まちの工房まどか 毛利支援員
NPO法人きらら女川 松原施設長
NPO法人輝やくなかまチャレンジ こころ・さをり 熊井センター長
第十五回目の会議の内容は、現在の活動内容と今までの案件の進捗状況、現在の一番の問題点等を中心にお話ししていただきました。

【ジレンマの中で】
今回、初参加の「サンネットなごみ」さん。知的障害者の通うB型事業所です。津波が蛇田まで到達しなかったため、震災による大きな被害は免れました。震災後には併設の給食施設を使って避難所への炊き出しを行ったり、同法人の利用者の避難所として施設を開放したりしました。震災前からの作業も継続して行うことができ、地震の影響があった建物部分の改修工事も終わりました。すべてが安定し、震災前と変わらない生活が戻っているかのようですが、深い悩みを抱えています。「工賃倍増計画」を達成するための打開策を見つけられないことです。目標額は2万円。現在は半分ほどです。目標額達成のために、収益性の低い事業や、量産体制を取ることが難しい事業も継続しなければなりません。企業と共同開発した商品もありますが、中間業者が入っているため単価は安く、年間の生産数が決まっているために、施設の一存で販路を拡大することもできないのです。「震災前と変わらない生活」よりも「震災前より充実した生活」を提供するために、目の前の課題に取り組む日々は続いています。
震災から2年5ヶ月が経ちましたが、その爪痕はまだ至る所に残っています。
農産物と花卉栽培を中心に活動してきた施設では、井戸水の塩害に悩まされています。土の入れ替えにより、土壌はほぼ改善したものの、井戸水は未だ塩分濃度が高い状態が続いているのです。近隣で少しずつ塩分濃度が下がってきたと聞き、新たな井戸を掘るなどの対策を考えています。また、AARから寄付された放射能測定器での検査結果では取引を認めてもらえず、出荷の自粛をしている事業所もあります。いかに今回の震災が甚大な被害を及ぼしたのか、改めて感じさせられました。
そんな中でも、復興へ向けた動きが見られた事業所があります。7月25日に工房が竣工した「きらら女川」さんです。女川で初めてできた事業所は、事業拡大のための改修工事を終え、あとは引っ越し作業を残すのみという所まで来ていました。そこに、あの大震災が起きたのです。あれから2年が過ぎ、建物はようやく再建することができました。しかし、利用者さんの気持ちには、まだまだリハビリが必要な現実があります。製造をすること、そして、販売をすること。以前はできていたことができなくなっている人もいます。一人ひとりに向き合って、心のケアをしながらも「挫折感を覚えて、足が遠のかないように。利用者さんをお客様にしないように。」難しいバランス感覚が求められますが、もう一度土台作りをする気持ちで、職員が懸命に取り組んでいます。

施設の再建から一年が経った「まちの工房まどか」では、美顔用のピーリングに使う繭の加工品が「動物の手作りキット」として試作されています。また、昨年に引き続き「まどかカレンダー」の制作・販売を行うことになりました。オリジナルの話題性を生かして、息の長い主力商品になってほしいです。

 
■セミナーの案内
9月10日(火)「表現が楽になる10の方法」
講師:創業スクエア プロモーションディレクター  松浦孝行
9月19日(木)「プロカメラマンが教える写真の撮り方」
講師:株式会社ハッピーウーマン 写真家 茅原田哲郎
 
 
次回の開催は、第十六回の開催予定は、9月24日(火) 13:30〜 場所:東松島コミュニティーセンター です。
【 参加予定】
宮城県内の障害者就労支援事業所
(特非)みやぎセルプ協働受注センター
詳しい内容についてのお問い合わせは、みやぎセルプ事務局(Tel:022-399-6299)までご連絡下さい。
ご興味がある企業の皆様からのお問い合わせもお待ちしております。
 

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