津波の襲来

写真:旧事業所跡地を高台から望む

お話:社会福祉法人 洗心会 生活介護事業所 のぞみ福祉作業所
職員 森伸也さん

テントを組み始めてから20分くらい過ぎたと思うんですけど、誰かが「津波だ!!」って言って。海のほうを見たら、電信柱がポキポキ折れていくし土煙があがっていくし。
まだその時点では、ここが避難所だからここまでは来ないよねって思っていて、少し傍観していたんですよね。初めて見る光景だったので愕然としたというか。
でも、様相が変わってきたんですよね。今まで煙だけだったのが海面が見え初めて。火災で燃えてる家は流れてきてるし、ここもやばいぞって直感で思った。
一般の人や車も駐車場に沢山来ていて、「のぞみ」の車ももう出せなくて。とりあえず自分の持ち場なので「のぞみ」に戻ろうとしたら、名指しで、外に避難していたベッドで寝ている方を助けてって指示されて。名指しで指示されるとやらなきゃ!って思うんです。津波が来ているので悩んでいる暇もないので。津波が迫り来るの見ながら、ベッドの方を安全な場所へお連れしようとしていました。
恐怖だったけど、助けなきゃって思いで逃げていたら、さらに弱視のおじいさんも託されて。その方も介助しながらなので、移動がどうしても遅くなってしまう中で、駐車場の裏の山に向かって避難しようとしました。その時には駐車場のほうまで津波があふれかけてる状態でした。
私が津波だって気づいてから15分あるかないかでここまで来て。私は結局津波に飲まれたけどなんとか裏山に流れ着いて。そこから10分弱かそのくらいで波がザーっと引いて助かりました。

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