TOP ≫ 第三回被災障害者就労支援事業所連絡会議を開催しました。

第三回被災障害者就労支援事業所連絡会議を開催しました。

この度、平成24年度被災障害者就労支援事業所等復興支援体制づくり事業の一環として、『第三回被災障害者就労支援事業所連絡会議』を8月24日(金)に開催しました。

この会議は、宮城県内で建屋の損壊等特に直接的被害が大きかった、若しくは沿岸部等、特に被害の大きかった地域に所在する生産活動を伴う事業所を対象として、情報交換による互いの状況把握と、それに関しての相談、アドバイスの場を設ける事で、新たな問題解決の糸口発見や協働での作業づくり等相乗効果が期待できると考え、震災の影響を強く受けている事業所の集まりを作る事で、何らかの支援をしたいと考えている法人や団体、有識者を迎え、作業の提案や商品販売ルート開拓、場合によっては事業所運営のヒントを得る事を目的としております。

第三回目は、場所を東松島市コミュニティセンターとして、大変お忙しい中、7事業所8名の方にご参加いただきまして開催致しました。

【参加者】

(社福)嶋福祉会 さくらんぼ 山崎施設長

(社福)円 まどか 塚原生活支援員

(社福)洗心会 のぞみ福祉作業所 畠山所長

(社福)洗心会 のぞみ福祉作業所 森主任

(社福)洗心会 南三陸町地域活動支援センター 風の里 熊谷主任

(社福)洗心会 ワークショップひまわり 小松施設長

(社福)矢本愛育会 ぎんの星 三浦施設長

NPO法人みどり会 みどり工房若林 今野施設長

【ゲスト・アドバイザー】

三菱商事復興支援チーム 大原氏

(特非)日本セルプセンター 林氏

(特非)ふうどばんくAGAIN 高橋氏

 

第三回目の会議の内容は、現在の活動内容と今までの案件の進捗状況、または、現在の一番の問題点等を中心にお話していただきました。

会を重ねるごとに、参加者同志の距離がどんどん縮まっているのをとても感じます。参加者の皆様に「この会議に参加してお互いに話すことが大事なんです。」とおっしゃっていただくと、とてもうれしく思います。

残念なことに、実際皆様の話を聞いていると、「復興」の言葉は、まだまだ見えてきません。

・多賀城市で震災以来ずっと新しい移転先を探しているが、見つからない。多賀城市は建築制限を設けなかったので、もともとある土地に再建するのが近道なのかもしれない。しかし、地盤沈下も進んでいる。台風や大雨で冠水する場所に再建しなければいけないのか。土地のかさ上げの問題、今後このような災害に耐えうる建物、そして何よりは資金面での問題。資材、人材の高騰。今年度内に建物が完成しないと、減免の対象にならない・・・

・行政の造成計画の青写真は出来た。しかし、障害者の福祉計画はここには見えていない

・震災後は、転居や引きこもりなどで利用者の数が半減した利用者が高齢化している。痴呆などの症状が出れば、施設を変える必要がある。これは、すべて施設運営に影響がでてきてしまう

・しいたけを菌床で栽培しているが、放射能の風評被害の影響で売上がかなり下がった。また、食の安全性の為、放射能検査を行っているのでその分の経費が馬鹿にならない。

・唐桑の事業所は、近くの工場を改築して移転する予定で準備万端だった。4月1日の開所を待つばかりだったが、3.11の震災後に発生した火災よって、すべてが消失した。申請書の認可を待つ間の事だったために、一切の補助金も受けられず、改築にかかった自己資金も戻らず、負債だけが残った。

 

その中で、今回は「一筋の光」が見えました。

仙台市の荒浜にあった事業所「まどか」が太白区の袋原に移転し、ベーカリーカフェがオープンした事です。近所の方々にも大変好評の様子です。事業所内はオープンスペースが多く、来たお客様は利用者の活動を気軽に見ることはできます。利用者も笑顔で生き生きとし、職員のモチベーションも違っているようです。震災から1年半、建物も設備も整い、新たな「スタートライン」に立った事業所がいるという事実は、まだまだ先が見えない事業所にも「一筋の光」になっています。

しかし、この事業所がなぜここに建設されたのか?どの様な理由でこの場所に移転してきたのか?2キロ先まで津波の被害が出ていたこの地域に住む方々も知らないのが現実でした。念願の「ベーカリーカフェ」がオープンし安堵した反面、「被災した事実が忘れられていく危機感を感じます。」とおっしゃった言葉がとても印象的でした。

あの震災の後、被災した福祉事業所の職員は過酷な精神状態の中で必死に頑張りました。震災以降、利用者の顔ぶれは変わりませんが、過酷な日常に支援職員はパラパラと辞めていったことは事実です。われわれは、今後再建し復興した時に、その事実を「語りべ」として風化させない役割も担っていかなければならないのかもしれません。

各大手企業もCSR活動の一環の中で、ボランティア派遣を行ったり、助成金の応募を募ったりしているようです。今後も、継続して活動していってほしいと感じました。本当に困っているところに支援の手が届くように、我々も正しい情報収集と発信を担う必要性を改めて感じています。

今後は、新たな商品開発や販路開拓なども、少しずつですが進めていく予定です。

毎回毎回、時間が足りないくらい話が盛り上がっております。最後に、皆さんが笑顔で帰られるのを見るのが、「やって良かった」と思える瞬間です。

この会議は、毎月1回の開催を目指して、活動していく予定です。

次回の開催予定は、9月19日(水) 13:30~ 場所:石巻市河北総合センター (ビックバン) です。

【 参加予定】

宮城県内の障害者就労支援事業所

エイブルアートカンパニー

(特非)日本セルプセンター

(特非)ふうどばんく東北AGAIN

(特非)みやぎセルプ協働受注センター

詳しい内容についてのお問い合わせは、みやぎセルプ事務局(Tel:022-399-6299)までご連絡下さい。

ご興味がある企業の皆様からのお問い合わせもお待ちしております。